親が子どもの勉強を見てあげる際、まず大切となるのが「信頼関係」です。
これは先生と子どもの関係にも言えることです。
信頼関係がなければ、子どもの「学力」は絶対に伸びないと思います。
なぜなら、子どもは自分に解らない部分があれば、子どもなりに恥ずかしいと思っているからです。
親子、あるいは先生と子どもの間に信頼関係がなければ、子どもは見栄を張って、わからない部分を素直に伝えようとはしません。
当たり前のことですが、それでは学力が伸びるわけがない。
逆に「何を言っても大丈夫だ!」と信頼し、「ここがわからない」、「どうしても納得できない」と親や先生に自然体でいえる子どもなら学力はどんどん伸びていきます。
その信頼関係を築くには、普段から子どもにしっかりと向き合って、解答の正誤は問わず、もちろん叱ったりすることなどなく、子どもがどのように考えて解答に至ったのかというプロセスをきちんと見てあげるということが大切だと思います。
一番子どもをダメにするのは、親が「自分の価値観」を子どもに押し付けることです。
「お父さんが学生の頃は…」「何でこんな問題もでけへんねん」
子どものために「良かれ」と思っていった言葉が、よくない形で子どもに突き刺さる場合もある。
内容によっては、子どもにとっては忘れられない一言になることもある。
「子どものペース」でゆっくり理解させる
そして、勉強にはじっくりと時間をかけてあげましょう。学習内容をしっかり理解するには「子どもが自分で気づく」ことが大切だからです。
「30分は何時間でしょうか?」という問題を子どもに出したときの、典型的な誤答は「0.3時間」です。
すると、いきなり図解するなどして説明しようとする親もいますが、それでは大人のペースに子どもを巻き込もうとしているだけです。
そうではなくて、順を追って「じゃ、40分は何時間?」「50分は?」「60分は?」と問題を出していく。
子どもは「0.4時間」「0.5時間」「0.6時間」と答え、少し考えてから「あれ?」なんていうかも知れません。
そこで「どうしたの?」と聞けば、「だって60分で1時間にならないとおかしい」と答えてくれたなら、それは子どもにとって大きな「気づき」になる。
そうしてようやく解説してあげればいいのです。
子どものための勉強なのですから、子どものペースで理解できるように心がけてほしいですね。
大人のミスをはやし立てる子どものパワーを利用する
それから、子どもの勉強を見る際の「口調」にも気をつけましょう。子どもの成績を伸ばしたいと思って前のめりになっている親は、「どうしてこの問題ができないんだろう」と考えて、つい「説明口調」になってしまいます。
でも、そもそも子どもは「説明口調」の人間の言葉を聞きたがりません。
では、どんなときなら大人の言葉は子どもの耳に届くのでしょうか。授業参観の様子を想像してみてください。子どもたちがいちばん元気になって盛り上がるのは先生が間違ったとき、つまり、普段は説明口調になりがちな身近な大人が間違ったときです。
私のように先生が漢字の書き順を間違いでもしたら、目ざとく見つけた子どもが指摘して、子どもたちは「先生が間違った!」とはやし立てます。
このパワーを利用するのです。
だとしたら、ちょっとした引っ掛け問題といったものに、親がわざと間違ってあげればいい。
そうすれば、「お母さん、それちがうよ!」なんていって子どもは得意げに問題の解説をしはじめるでしょう。
そして、その「誰かに説明する」という過程で学習内容の理解はさらに進むのです。
子どもは敏感ですから、そのうち親がわざと間違えているということに気づくということもあるかもしれませんが、それでいいのです。
「この前やったでしょ?」「ちょっと貸してごらん、見ていなさい!」なんて厳しい説明口調の親とする勉強と、わざと間違っているとわかっても、「お父さん、わざとやろ?」「マジです!」といったふうに親と会話をしながらする勉強では、どちらが楽しいかなんていうまでもありませんよね。
小6の息子はクイズが好きで、そこで得た知識を披露してきますが、彼が問題を出してきても、私は正解は知っていますが、わざと間違えて、正解を自慢げに説明してくれます。これが大切です。「知識のシェア」をすること、人に教えることで、自分の理解を深めることができることも研究で証明されています。
勉強は机に向かってするという思い込みを捨てる
そういう会話内容にも通じることですが、「いかにも勉強」というスタイルではなく、子どもが遊びのなかで勉強できるように工夫をしてあげてほしい。
たとえば、小学生の算数の勉強なら、ただ計算ドリルをひたすらこなすというものではなく、サイコロを使ったゲームをするということもおすすめです。
工夫次第では足し算や引き算はもちろん、場合分けや確率の勉強をすることもできます。
遊びであれば、子どもが必死に考えて「ちょっとルールを変えよう」と提案してくることもあるはずです。
これは、ただ与えられた課題をこなすだけではなく、自分に有利になるように子どもなりにじっくり考えたことの証に他なりません。
世の中に出てから活躍することを思えば、そういうふうに状況に応じた判断力や情報を整理して、結論を出す力といったもののほうが、ドリルで鍛えられるただの計算力なんかよりよほど重要であるはずです。
子どもの学力を伸ばしたいと願うのなら、「勉強とは机に向かってするもの」といった思い込みを捨てて、もっと柔軟に楽しい勉強法を考えてあげるのも親の役割なのではないでしょうか。
ちなみに、わが子は自分の机で勉強はしません。好きな時に好きな場所で何かゴソゴソやってます。
「親」という字は、字の如く、木の上に立って見守る、と書きます。
乳児はしっかり 肌を離すな
幼児は肌を離せ 手を離すな
少年は手を離せ 目を離すな
青年は目を離せ 心を離すな
「子育て」は人生一度きり。二度とできません。
正直、腹が立つことの方が多いと思いますが、ぼちぼち一緒に子育てを楽しみましょう。
苦しくなったら、わが子が生まれてきた頃の写真を見返してみてください。
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では、また明日。