「結果」と「プロセス」どちらが大事か?
働いていく上で、そして自分を作る上で、「結果」と「プロセス」のどちらが大事か? 皆さんはどう考えるか。これは非常に難しい問題である。
結論から言えば、どちらも欠くことはできない大事なもの。
しかし、「真に人を作るのは」と問われれば、プロセスだと思う。結果は確かに人を
自信を付け、歓喜をもたらしてくれる。
その一方で、結果は人を惑わしたり陥れたりもする。「結果はウソを言うときがある
が、プロセスはウソを言わない」と言い換えてもいいかもしれない。
このあたり、イチロー選手の語録には深く噛みしめるべき内容があるので、いくつか紹介する(イチロー選手のコメントは、いずれも日本経済新聞紙上で掲載されたもの)。
「結果とプロセスは優劣つけられるものではない。結果が大事というのはこの世界でこ
れなくしてはいけない、野球を続けるのに必要だから。プロセスが必要なのは野球選手
としてではなく、人間を作る上で必要と思う。」
これは一般のビジネスパーソンについてもまったく同じことが当てはまる。
会社員であれば組織から与えられた事業目標、業務目標があり、それを成果として
個々が達成することで、会社が存続でき、給料ももらうことができる。
また、自分の能力よりも少し上の目標を立て、それを達成することで自分は成長する。
ただ、そうした結果を出すことが絶対化すると、周囲との調和を図らない働き方や不
正な手段を用いた達成方法を生み出す温床となる。
また、働く側にとっては、それが続くと、早晩、消耗してしまう。結果至上主義は多
くの問題をはらんでいる。
イチロー選手はこうも言う。
「負けには理由がありますからね。たまたま勝つことはあっても、たまたま負けることはない。」
「本当の力が備わっていないと思われる状況で何かを成し遂げたときの気持ちと、しっかり力を蓄えて結果を出したときの気持ちは違う。」
これはつまり、結果が出た(=勝った・記録を残した)からといって有頂天になる
な、結果はウソを言うときがあるぞ、というイチロー選手独自の自戒の言葉だ。
プロセスが準備不足であったり、多少甘かったりしたときでも、何かしら結果が出て
しまう時が、時にある。そうしたときの結果は要注意。
そこで天狗になってしまうと、次に思わぬ落とし穴にはまってしまうことが往々にし
て起こる。
結果におごることなく、足らなかったプロセス、甘かったプロセスを見直し、次に向
け気を引き締めてスタートすることが必要である。
結果をめぐる2つの問題点
こう考えてくると、「結果」をめぐる問題点は、どうやら2つありそうだ。
1つは「結果を出せ!」とか「結果を出さなくてはならない」といった強要や自縛が
働くと、結果主義はマイナスの面が強く出る。
もう1つは、たまたま「結果が出てしまう」ことで、本人に慢心が起こる。この点に
気を付ければ、「結果を出すこと」は働く上で重要な意識になるだろう。
むしろ、結果を求めないプロセスは、惰性や無責任を生む。
また、結果が出ることによってこそ、それまでのプロセスが真に報われることになる。
要は、結果とプロセスはクルマの両輪であって、どちらを欠いてもうまく前に進むことはできない。
そして、駆動輪になるのは、言うまでもなく、日々こつこつと努力を重ねるというプロセスのほうだと思う。
街にあふれる「何でやねん」シリーズ
①ジャスコまでまだまだ先は遠いな。
また、明日。毎日暑いねー。