「親思う心にまさる親心」
今の日本には偉人伝というだけで拒否反応を持つ人がいる。
それ自体、異常な社会だと思うが、
そういう時、私はタレントの北野武さんの話をする。
それは北野さんのお母さんのお話。
北野さんが芸能界に入って売れるようになった頃、
お母さんから
「金をくれ」
と言われたという。
それからも何かにつけて法外なお金を要求されたと。
とんでもない親だと思ったけれども、
親には世話になったし、迷惑を掛けたのも事実だから
言われたままに出していたそうだ。
そして、お母さんの命がもう何日もないという時に
軽井沢の病院に行った北野さんは、お母さんから一冊の通帳を渡される。
帰りの新幹線の中で、その通帳を見た北野さんはビックリする。
今まで渡していたお金が全額入金されていた。
芸能界は浮き沈みの激しい世界だから、
お母さんとしては息子が売れなくなった時のことを考えて、
そっと蓄えておられたのだろう。
子どもは親孝行したいと思っているけれども、親が子を思う気持ちはもっと深い。
吉田松陰が
「親思う心にまさる親心」
と詠んでいるが、親が亡くなって
「もっと孝行しておくべきだった」
と子どもだったら皆思うんじゃないだろうか。
これは何も国が
「親孝行しろ」
と言うのとは違う。
道徳の授業の中でそういう話がエピソードとして出てくれば、
誰でも素直に皆受け取るはず。
人が人として生きるために大事なことを学ぶのは、
本当は英語や数学の学力を高めること以上に必要なことだ。
街にあふれる「何でやねん」シリーズ
①高校生は、詳しく気軽に店長に尋ねに行こう。
良いお天気の日曜日。
家族と湯ゆっくり過ごそう。