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成人の日記念「読書好きなのに国語が苦手” 。論理力を鍛えるなら〇〇を読む」

成人の日記念「読書好きなのに国語が苦手” 。論理力を鍛えるなら〇〇を読む」

 

 「国語が得意な子」と聞くと、みなさんは「きっと読書が好きなのね」と考えるだろう。

 たしかに、読書量と国語力はある程度比例する。しかし、なかには “読書が好きなのに国語が苦手な子” もいる。

 

意外と多い「読書好きなのに国語が苦手な子」

 大前提として、たくさんの本を読むことで、語彙が増えたり読解力が鍛えられたり感受性が豊かになったりと、数えきれないほどのメリットがある。

 その延長線上で、「国語が得意になる」と考える人がいても不思議ではない。

 しかし、ただの趣味や娯楽として読書を楽しんでいるだけでは、国語のテスト問題をスムーズに解くコツはつかめない。

 「国語のテスト問題はあくまでも論理的に考える必要があるので、読書好きな子どもでもテストの点数が悪いことがある

 「文章を自由に解釈してよい読書と違って、テスト問題では自分勝手な解釈はできない。登場人物の心情をたずねる問題でも、文脈や心情表現を根拠に考えることを求められる

 さらには、テストでは文章を読みながら「問われているのはこのことかな?」と内容を推測しながら進めていく必要がある。

 問いや問題文のなかに根拠を見つけ出し、正解までの道筋をたどることができる能力こそが、国語のテスト問題の理解度につながる。算数、数学の文章問題なども同様だ。

 

「読書が好き」なのに「国語が苦手」な原因

 読書が好きで普段からよく本を読んでいるにもかかわらず、「国語が苦手」なのはなぜだろう。いくつかの原因が考えられる。

 

■原因1:ナナメ読みする癖がついている

 「読書が好きな子のなかには、ストーリーを追うことが楽しくて “ナナメ読み” をしている子も多い。

 そういう読み方では、国語の成績は上がらない。それには “親のほめ方” も大きく影響している。

 読書をしている子どもが「もう読み終わったよ!」と報告してきたら、どのような言葉をかけるのか。

 おそらく、ほとんどの親は「もう読んだの? すごいね!」とほめてしまうのではないだろうか。

 このほめ方こそが、子どもの国語力を低下させている。

 ほめられると子どもは嬉しくなり、「もっと早く読んでお母さんを喜ばせよう!」と早読みするようになる。

 その結果、文字を一字一句きちんと読み込まずに、どんどんナナメ読みへと走るようになる。国語のテストでは精読する力が求められるため、ナナメ読みの癖は弊害にしかならない。

 

■原因2:読むジャンルが偏っている

 読書好きでも国語ができる子とできない子の違いについて、ある特徴が見られる。

 それは、好んで読んでいるジャンルが「小説・物語系」か「説明文・論説系」かという違い。

 読書好きで国語が苦手という子は、小説や物語ばかりを好んで読む傾向があり、読書好きかつ国語が得意という子は説明文・論説系を読んでいる。

 物語系と論説系では、文章構造が根本的に異なる。

つまり、読んでいるときの “思考のプロセス” がまるで違う

 物語・小説系の基本的な文章構造は、時系列に沿っていることが多く、登場人物たちになんらかの出来事が起こり、心情が変化する様子を描写している。

 一方で、説明文・論説系は基本的に「序文・本論・結論」という構造で成り立っており、論理的展開が明確である。

 論理的思考力が備わっていないと、国語のテスト問題を読み解くのは困難だろう。

 

■原因3:論理力が身につかない読み方をしている

 国語のテストでは、論理的思考に基づいた読解力が必要不可欠。

 先ほど述べたように、物語の世界に浸って情緒を育んだり、ストーリーを追いながら感情の起伏を楽しんだりする読書と、論理力を駆使しながら読み解く読書は別物であると考えていい。

 国語のテスト問題では、素材文(問題を解くために与えられた文章)を読んでいない人でも『ああ、なるほどね』と理解・納得できる答えを求めている。

 

【問題例】

 「気がすすまないがしぶしぶ一緒に行った」とありますが、それはどういうことですか?

 

【考え方】

 「登場人物に起こった出来事」+「それまでの事情に基づくその人物の受け止め方」  +「その結果生まれる感情」をうまく取り入れながら、素材文を読んでいない人にも理解してもらえるような答えを考える。

 

【解答例】

 たけしは母親とけんかをしたばかりなので顔も見たくなかったが、祖父のお願いを断ることができずに仕方がなく母親とともに出かけた。

 

 国語における物語文の読解は、客観的理解を軸に置きながら、答えを見つけていくもの

 論理力がある子というのは、文章を読んでいる自分以外に「世の中の一般の人の物事のとらえ方や知識」も意識できる。

 一方で、読書が好きで表現力も豊かなのに、テストで高得点がとれない子は、自分だけの世界に陥っている傾向が強い。

 つまり、設問に答えているつもりでも、実際は自分の感じたことをただ述べているだけに過ぎない。

 

親子の会話が国語力アップにつながる

 最後に、「読書が好きだけど国語が苦手な子」が「読書が好きで国語が得意」になるためにはどうしたらいいか。

 

■早読み禁止! 1冊をじっくり読み込む訓練を

 ナナメ読みの癖がついてしまったのなら、精読力をつける工夫をすべき。

 先ほど述べたように、「早く読めたこと」ばかりを評価してほめてしまうと、子どもは「お母さんにほめられるために、適当でいいからパパッとやっちゃおう」と勘違いする。10冊の本をナナメ読みするくらいなら、1冊の本をじっくり何度も読み込んだほうがいい

 

■読書の前に “親子の会話” で語彙を増やす

 国語が得意な子の共通点のひとつとして、「親子でよく会話をしている」こと。

 もちろん読書は語彙を増やすには最適な手段だが、言葉の意味が曖昧なままたくさんの本を読ませても結局理解できないだろう。

 親はたくさんの本を与えるよりも、たくさんの言葉を投げかけてあげる

 その際に気をつけるのは、「子ども扱いせずに、大人と同じように難しい言葉を交えながら会話する」こと。

 それにより、子どもはたくさんの言葉を吸収することができる。

 

■読後は論理的思考力を鍛えるアウトプットを

 親子で本の感想を語り合う機会をつくる

 ただ「おもしろかった」だけではなく、どんな場面のどんなところに心が動かされたのか、深い部分まで詳しく語り合う。

 また、「主人公は○○したけど、僕だったら△△すると思う」など、自分に置き換えてみるのも、物語への深い理解と考察につながる。

 

①奇跡のタイミング

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また、明日。