「オカンの追伸」
「自分は泣いているのに周りは笑ってるモノってなーんだ」
ガキの頃、サッカーの試合で負けて、悔しくて泣きながら帰ってきた日があった。
キャプテンとして何もできず、かなり機嫌が悪い私に、
オカンはいきなりクイズを出してきた。
「何やねん。うるさいねん。」
そういって私は、ため息と夕食を残して、自分の部屋に戻った。
親という生き物は
何でこんなにも空気を読めないのか。
世間の空気なら敏感に読むくせに。
次の日の朝、
うるさいアラームの息の根を止め、
ベッドから起き上がった私は、
食卓の前に座る。
オカンはもう仕事に出掛けていた。
いつも通り一人で食べる朝食に
いつもは無い紙がラップに貼られている。
「おはようさん。昨日のイライラは収まったか。
何があったか知らんけど、もし何かに悩んでるんやったら、
めちゃくちゃ考えた選択の中から、笑顔のある方へ向かいなさい。
そしたら、どんな道も間違いちゃうから。
ほな、今日も一日楽しんで!
PS
昨日出したクイズの答えは、
「アンタが生まれた瞬間」です。」
良いお天気。
最高の土曜日を。