「あずぶろ。」

僕の頭の中。時々、僕が好きなもの。

「生徒たちの作品を見て&心温まる私の作品エピソード(保存推奨)」

「生徒たちの作品を見て&心温まる私の作品エピソード(保存推奨)」

 

子どもの作品を見ていると思うことがある。

 

「みんな同じに見える。」

 

先生は、クラス全員の生徒に対して、ある程度の技術を身につけさせようとして、

 

オススメの描き方や技法を教える。もちろん、悪いことではない。

 

必要なことではあるが、みんな同じ作品のようになってしまう。

 

それでいて、「オリジナリティがないんだよな」とか言う先生がいる。

 

こんな言葉を聞くけれど、先生の言うことを聞いている生徒は、言われた通りにやっただけ。

 

どこに重点を置いているかわからない。

 

子どもは、技能教科でも、同じが良いと思ってしまうのではないか。

 

髪は黒で塗るのが当たり前です。こうやって描きなさい。

 

こんな感覚や評価なんているのか。

 

正解はないのだから、もっと自由に取り組ませてみよう。

 

みんな違う作品になるからこそ面白いのに。

 

 

 

ちなみに、私の小学生時代の忘れられないエピソード。

 

これは、私が小学生の頃の夏休みの宿題のお話。

 

朝から川で遊んでいた私に、一緒にいた出来杉くんタイプの友人が、

 

出来杉「なあ、お前、工作の宿題できてるん?俺は7月中にやったけど。」

 

と聞いてきた。(7月末までに夏休みの宿題を全部終わらせたアピールはいらん)

 

私「は?そんなんあったっけ?」

 

明日の始業式に担任に提出しなければならない工作を忘れており、

 

出来杉からの質問の直後は「宿題やったに決まってるやんけ」と、犯人にも関わらずインタビューに答える人のように大嘘をつき、

 

その後何もなかったかのように自宅に戻り、急遽製作することにした。

 

数分間、一休さんのような体勢でじっくり考えた結果、

 

他者の追随を許さず、クセの強い、唯一無二な、今世紀に残したい、全米が泣いた「超合金ロボット」を作ろうと思いついた。

 

しかし、肝心のボディ部分が見当たらず、家中を必死で探した結果、

 

母親が普段ご愛用している生理用品、花王の「ロ○エ スリムガード」の箱を発見。

 

私「これや!芸術は爆発だ!」

 

そこからは何の迷いもなく、まるで何かに取り憑かれたかのように作品製作に没頭した。

 

当時は女性の身体について、まだ何の知識もなかったが、

 

この瞬間、私に憑依していた何者かが、そのパッケージの中身を荒々しく全て抜き捨て、

 

そのパッケージのみを使用するという荒業を選択をしたのだ。

 

そして、シンプルにトイレットペーパーの芯4本を丁寧に抜き取り、両足、両手として装着、

 

あとは流行していたガンダムガンプラ)の武器をこれでもかと装備し、

 

重要な顔面はというと、私の幼い妹が所有していた「リ○人形」の首を、丁寧に「ロ○エ」ボディの頭頂部に人工移植。

 

最後には、週末の女子のごとく、ヘアスタイルを可憐にアレンジし、見事に私の世紀の超大作は完成したのだった。

 

「完璧だ。」

 

担任への提出用紙があったので、「憑依」が解けた私は「タイトル・製作についての感想」として、冷静を取り戻した私はこう記した。

 

「救世主 超合金・ロ◯エマン3号」

 

「構想5年。このロボットの完成には、たくさんの仲間の死を乗り越え…」

 

 

始業式の朝、寝ている間に近くでガス爆発があったんかぐらいのヘアスタイルのまま、私の朝食を準備してくれていたオカンが、

 

昨日提携農家さんから届いたばっかりの新鮮な大きめの白菜2玉程度が入るサイズ感のある新聞紙に包まれた私の超大作

 

「ロ○エマン3号」の幻影を見て、不機嫌そうに、

 

オカン「アンタ、今日から学校やけど、何なんそれ。何かの死体か。」

 

私「何でやねん。見たらわかるやんけ。夏休みの宿題じゃ。実は、3号やねん。」

 

オカンもオカンのボケだったが、私も私で「3号」などと意味の分からない補足をした後、

 

学校に登校し、自信に満ちた表情で担任に提出した。

 

担任「…。(数秒の沈黙)。…。やり直してきなさい」

 

私「何でやねん。(怒)」

 

担任「理由はまた言います。」

 

40年の時を経て、未だその理由は担任からは聞かされていない。

 

その日は、クラス中、また、他のクラスの児童、何なら上級生たちも、

 

新作ドラクエの発売日のように教室前廊下に列を成し、

 

私の世紀の超大作を観にきてくれた。

 

その時は、世紀の大発見をした科学者の記者会見ばりの高揚感だったが、

 

その日は担任に受け取ってもらえなかったことが納得いかず、

 

一日中拗ねて、仕方なくそのまま静かに持ち帰ることにした。

 

「焦燥感とはこういうものか」

 

幼心に新しい価値観を見出した。

 

ただ、登校時に、そして、下校時は全部丸出し「ロ○エマン」を抱きしめていたせいか、

 

愛着が湧き、お別れするのが少し寂しくなったので、

 

家族にお披露目するために、玄関先にそっと飾った。

 

当時同居していた可愛い祖母は、優しい言葉で私を褒めてくれた。

 

祖母「かわいい日本人形やね〜。」

 

私は、そっとしておいた。

 

 

夕方、何推しているのかよくわからない仕事から帰ってきたオカンが玄関先で絶叫、激怒しているのを、

 

関西テレビ「素敵!KEI-SHU5」を観ながら感じ取った。

 

オカン「アンタ、何してくれてんねん。お母さんの大切なもん入ったやつ、

 

箱だけあらへんおもたら、アンタやったんか。で、何やねん、ロ○エマンて!(激怒)」

 

妹「何やこれ。めっちゃええやん。お兄ちゃん、4号一緒に作ろー。

 

えっ!ウソ!ウチのリ○ちゃんの顔!髪型変になってる!」

 

オカン「まさかアンタ。1号、2号もおるんか」

 

私以外に愛人が何人もおるんかぐらいの形相で聞いてくる。

 

「え!そこ?」

 

 

 

昭和という時代に起こった私の愛すべき家族の懐かしいドラマだ。

 

そんなオカンも、最近は少し小さくなって、弱ってきた。

 

しっかり親孝行しなければならない。

 

私はドラックストアやコンビニなどで、

 

この「ロ○エ スリムガード」を見かけるたびに、

 

このエピソードを思い出し、

 

少しずつ老いていくオカンを想い、

 

しっかり「ガード」してあげなくてはと思う。

 

では、また明日。