「あずぶろ。」

僕の頭の中。時々、僕が好きなもの。

「人生観を見つめ直す」

「人生観を見つめ直す」

 

とあるバイオリン弾きが、バッハの曲を1時間程演奏した。

 

その時間帯は通勤ラッシュだったため、約1,100人がその男の前を通った。

 

 

 

3分後、ある中年の男はバイオリンを弾いている人がいると気づき、足を止めた。

 

しかし、結局止まったのはほんの僅かな時間で、数秒後にはその場を離れた。

 

 

1分後、バイオリニストはやっとお金を稼ぐことができた。

 

ある女性がケースに1ドル札を投げ入れたが、彼女は止まることなく歩き続けた。

 

 

少しした後、壁に寄りかかって彼の音楽を聴く者が現れたが、腕時計を見るとすぐに歩き始めた。

 

会社に遅刻しそうだったのだ。

 

 

一番彼の音楽が気になったのは、3歳の男の子だった。

 

彼のお母さんは急いでいて、男の子の腕を強く引っ張った。

 

それでも男の子はバイオリニストを聞こうと足を止めた。

 

お母さんは男の子の背中を強く押し、無理やり歩かせた。

 

それでも男の子はずっと後ろのバイオリニストを見ながら去って行った。

 

他の子供も同様だったが、親は全員例外なく止まることなくその場を去った。

 

 

 

彼が演奏した1時間内で、足を止めて彼のバイオリンを聞いたのはたった6人だった。

 

お金を入れてくれたのは20人程だったが、止まった人は誰もいなかった。

 

稼いだお金はたったの32ドル。

 

 

彼が演奏をやめ、駅が沈黙に包まれた時、気付いた人は誰一人いない。

 

拍手はなく、このバイオリニストを認める人はいなかった。

 

 

 

バイオリニストの名前はジョシュア・ベル

 

彼は世界で最も才能のあるミュージシャンの一人。

 

彼はたった今、歴史に残る傑作を演奏したのだ。

 

それも3億円のバイオリンを使って。

 

 

 

彼の駅での演奏の2日前、彼のボストンでのコンサートのチケットは、

 

1枚1万円するものの、全て売り切れた。

 

 

これは実際にあった話。

 

ジョシュア・ベルが素性を明かさず行ったこの演奏は、人々の視覚・嗜好・優先順位を

 

研究するための実験として、ワシントン・ポスト紙によって行われた。

 

 

私たちは本当に「美しさ」を理解しているのだろうか?

 

それをちゃんと足を止めて味わっているのだろうか?

 

予想していない状況でも、才能を感じ取ることはできるのだろうか?

 

 

1つ結論として言えるのは、

 

もし私達は世界で最も才能のあるミュージシャンが、

 

歴史上一番の傑作を演奏してさえ気付かないのであれば、

 

私達は他にもきっと多くの「美しいもの」を見過ごしているのではないか?

 

日々の忙しさにかまけて、大切なものを見落とさない様に。

 

そこにたくさんの、幸せがあるかもしれないのだから。

 

 

街にあふれる「何でやねん」シリーズ

①悩むなー。

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また、明日。