「天国と地獄」
地獄にある食堂のテーブルの上には、たくさんの美味しそうなお料理が乗っている。
食事の時間になると、地獄にいる人間達が食堂に続々と入ってくる。
彼らはいつも愚痴ばかりで不平不満をこぼしている。
その性格が滲み出てるのか顔まで嫌な顔。
体は餓鬼ように骨と皮だけのやせ細った手足に、ぽっこりと膨らんだお腹をしている。
みんなテーブルを囲んで席に着いた。
テーブルの上には長い長いお箸が置いてある。
手で食事をする事を禁じられているので、その長いお箸を使って食事をしなくてはならない。
彼らは必死にそのお箸でご馳走を食べようとするが、お箸が長すぎて自分の口に食べ物が入らない。
結局、何も食べる事ができず、空腹のまま愚痴をこぼしながら食堂を出ていった。
一方、天国の食堂はというと、テーブルには地獄の食堂と同様に美味しそうなお料理が並んでいる。
天国にいる人達はいつもニコニコ。幸せそうな顔をしている。
食事の時間が始まると、彼らはテーブルを挟んで座り、地獄に住む人達と同じ長いお箸を使って食事を始めた。
もちろん、天国でも手で食べることは許されないが、みんな楽しそうに食事をしている。
地獄の食堂と違う唯一の点は、彼らはそのお箸を使って、自分の向かい側に座る人に食べさせてあげる。
そのため全員が楽しく食事ができて、満足そうに食堂をあとにした。
天国でも地獄でも、置いてあるものは何も変わりがありません。
何一つ変わりがないのに、自分の事ばかり考えていては幸せにはなれない。
相手のことを考えられたならば、自分も幸せになれるのです。
街にあふれる「何でやねん」シリーズ
①全部体験したくはありません。
また、明日。
