「大切な10円玉」
知的障害がある女の子が
両親と暮らしていましたが、お母さんが病気で亡くなってしまいました。
本当は親子で一緒に暮らしたかったのですが、
周りの人の勧めもあり女の子は施設にあずけられて、
お父さんと別々に暮らすことになりました。
施設では、社会に出ても通用するようにお金の訓練を行います。
女の子も一円から五百円までの硬貨を順番に並べて、
お金の価値を勉強していました。
試験の時先生が、
「一番大切なお金はどれですか」と女の子に聞くと、
女の子は笑いながら十円をさしました。
何回も先生が、
「五百円が一番大事だよ」と教えても、女の子は繰り返し十円をさしました。
困り果てた先生は、
「どうして十円が大事なの?」と聞くと、女の子は、
「だって、この十円をあの公衆電話に入れたら、
大好きなお父さんの声を聞けるから……」
街にあふれる「何でやねん」シリーズ
①金返せ。
また、明日。