「あずぶろ。」

現役中学校教師の頭の中。時々、私が好きなもの。

「なぜ子どもは急に不機嫌になるのか」「先生たち、もっと勉強しろよ」

「なぜ子どもは急に不機嫌になるのか」「先生たち、もっと勉強しろよ」

 

「荒れる学校」「学級崩壊」「小中学生の対教師暴力の増加」「不登校生徒の増加」

 今の学校現場は感染症対策に加え、昔から変わらない課題だ。

 厳しい表現で叱られるかも知れないが、教育現場では実際、不勉強の教師、変化に柔軟に対応できない教師が、残念ながら絶賛増量中だ。

 この際はっきり言わせて頂こう。

「もっと勉強しろよ」

 

 様々な年代で少し異なるが、今日のテーマについて、私が経験してきたこと、勉強してきた文献などを参考に、親目線、教師目線でお伝えしていこう。

 

 ちょっとしたことですぐに機嫌が悪くなり、怒ったりすねたりする子ども、生徒の対応にお悩みではないだろうか。

 もしかしたら、親や教師の何気ない言動や対応の仕方が、子どもの 「困った行動”」を引き起こしているかも知れない。

 今回は、心理学に基づいた「子どもの問題行動(不適切な行動)」について綴る。

 

 

子どもが「困った行動」を起こす心理

 例えば次のようなケース。

 下の子のお世話で忙しいときに限って、上の子が「見て見て!」「聞いて聞いて!」と話しかけてくる。

 大した内容ではなさそうなので、軽く聞き流していたらプイッとすねてしまった。

 バタバタしているときに「あれやって」「これやって」と甘えてくるわが子に、「自分でできるでしょ!」「いいかげんにして!」と叱ったら怒って大泣きしてしまった。

 
 こういった反抗的な態度や行動は、その瞬間の親御さんの言葉に反応しただけだと思っていないか。

 しかし、多くの場合、「親が叱ったから子どもの機嫌が悪くなった」という単純な話ではなく、叱らなくなったからといってすぐに解決する問題でもない。

 では、なぜ子どもたちは、ちょっとしたことですねたりいじけたりしてしまうのだろうか。

 そのヒントは心理学によって解き明かされている。

 心理学の世界では、子どもの問題行動(不適切な行動)は、徐々に段階を踏んでエスカレートしていく。

 

子どもの問題行動がエスカレートする理由

 皆さんが「問題だ」と感じる子どもの困った行動は、心理学では「不適切な行動」と表現されている。

 適切な行為をしていても認められない子どもは、何とか別の方法で注目を集めるような行動を始める。

 それが、問題行動に代表される「不適切な行動」である。

 例えば、お手伝いをしたり勉強を頑張ったりしても親があまり褒めてくれず、不満を抱いている子がいるとする。

 おそらく親は、「うちの子は手がかからなくて助かるわ」と、わが子がいい子でいることを 「当たり前」だと感じているのだろう。

 しかし、次第に子どもは「認められたい」「無視されるくらいなら注意されても叱られてもいい」と思うようになり、問題行動=不適切な行動をとるケースも少なくない。

 

不適切な行動5段階

第1段階 称賛の欲求

 まわりの人に称賛されるためによい行ないをする段階。褒められるための行動なので、思うように褒めてもらえないなど気持ちが満たされずにいると、次の<第2段階>へと進む。

 

第2段階 注目・関心を引く

 褒められなくてもいい、むしろ叱られてもいいから、自分に注目してほしいと強く願うようになる。親の気を引こうと、突然すねてみせたり、いじけてみせたりするのはこの段階。注目を集めることが目的なので、叱っても叱ってもやめない。

 

第3段階 権力闘争をしかける

 反抗的な態度や行動によって、力を見せつけて特権的な地位を得ようとする段階。<第2段階>において親が無視したり、頭ごなしに叱りつけたりすることによって、子どもの不適切な行動はよりエスカレートし、権力を握ろうとしてくる。

 

第4段階 復讐をする

 <第3段階>で権力を手に入れられないとわかると、次は復讐の段階に入る。小中学生であれば、親への復讐として非行に走ったり不登校になったりするケースも。相手の気を引きたいがための行動が攻撃性を帯びてしまうことで復讐に発展する。相手から憎まれてでも注目を得ようとするのが特徴的。

 

第5段階 失望させる

 第1段階~第4段階までの行動で相手が適切な援助を行なわないと、無気力になり自分からも逃げようとする。「すべてがダメならもう何もしない」と極端な思考に陥ってしまい、相手から無能だと思われるための証明をする。

 

 このように、子どもの不適切な行動は、第1段階から順番にエスカレートしていく。

 段階が上がれば上がるほど修復が困難になるので、「いま子どもはどの段階にいるのか」をしっかりと見極めて対応することが重要。

 

子どもの困った行動への対処法

 この「不適切な行動の5段階」の仕組みが理解できれば、今まで悩んでいた子どもの問題を解決するヒントが見えてくるのではないだろうか。

 心理学では、人間の行動の一番の目的は 「所属」 だと考える。

 つまり、いまいる集団に受け入れられたいと願い、その一員であることを求め、そのために行動するのが人間本来の姿であるということ。

 小さな子どもにとっては、まさに「家族」こそが自分が所属する唯一の集団であり、親から認められることで「自分は家族のなかで、なくてはならない存在だ」と実感できる。

 

 不適切な行動をする子どもへの一番の対処法は、「共感すること」

 親がしっかり子どもの話を聞いて共感してくれたら、「お父さん・お母さんは、自分のことを本当にわかろうとしてくれているんだ」と子どもは感じ、家庭のなかで居場所が確立していると安心するだろう。

 ただし、ひとつ注意すべきなのは「共感=同意」だと勘違いしないこと。

 共感と同意はまったくの別物であり、子どもの発言すべてに同意することで親が子どもの言いなりになってしまう恐れがある。

 また、不適切な行動をする子どもに対しては、「あなた」が主語になる「ユーメッセージ」を使って話しかけないことを心がけたい。

「どうしてあなたはいつも片づけをしないの!」

「なぜあなたは友だちと仲良くできないの?」では、子どもは一方的に責められていると感じてしまう。

 

 効果的なのは「わたし」が主語になる「アイメッセージ」。

「片づけをしてくれると、お母さんは嬉しいな」というように、 “自分は” こう思う“自分は” こうしてくれると嬉しいと伝えることで相手の心を動かす。

 子どもの不適切な行動は、「認められたい」という思いが根源になっている。

 

 まずは子どもの気持ちに共感し、行動自体を責めるのではなく「こうしてくれると嬉しいな」とメッセージを伝えることで、エスカレートする前に不適切な行動を止められるだろう。


 子どもがすねたり機嫌が悪くなったりするのは、親に叱られた瞬間にスイッチが入るのではなく、その前の段階で「認めてもらえない」「自分に注目してくれない」と不満を感じているから。日頃から子どもの様子をよく観察することが大事。

 

 私自身が普段から、親として、教師として、わが子、生徒たちへの関わり方で大切にしているスキルの一つである。

 

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また明日。